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2023.08.27

羽田空港85番搭乗口

羽田空港85番搭乗口

旅行や帰省を堂々とできるようになり、駅や空港は、連日たくさんの人でごった返しています。

東京生まれの私たち家族は、故郷がないので、ニュースでお土産を抱えて帰省する家族連れを見て、羨ましく思っています。そして、帰省の代わりに毎年旅行を計画します。行った先々でその土地の食べ物や、空気のおいしさに感動し「第二の故郷」と一方的に命名し、名残惜しく東京に帰ってくるのです。

今年のそれは大分でした。温泉県であり、海も近く新鮮な地魚に、とり天、かぼす、豊後牛とグルメの宝庫です。出発の3日前航空会社からメールがあり、搭乗口がバス移動であるとのこと。実は私、足の具合が悪く階段を1段ずつしか登れないのです。降りるのは手すりに摑まればなんとかできるのですが。前回の出雲便でも地上から飛行機までの20数段の階段昇降に、ことのほか時間がかかり、見かねたCAさんが私の手を取り、タラップを降りて下さいました。そんなわけで、事前にタラップ使用がわかっている便ですから、車椅子で昇降できないかと日本航空さんに連絡し、手配をお願いしました。介助を必要とする方やお子さんの一人旅のサポート等、プロ中のプロの日本航空さんは、車椅子の手配をご快諾下さいました。

普段利用する1番から50番台の搭乗口の一つ下のフロアにエレベーターで降りると60番台以降の搭乗口が並んでおり、85番搭乗口で車椅子に乗車し専用バスにて飛行機まで移動しました。車椅子を押してくださる専任のスタッフさんは、常に声掛けをして下さり「少し段差がございます。」「バスのドアが閉まります」等、介助される側に配慮した声掛けに恐れ入りました。バスが、飛行機に横付けされスタッフさんは、ヘルメットとインカム、ハーネスを装着され機内のCAさんと連絡を取り合い、飛行機のドアをマニュアルで開けてくださり、ほどなくスロープを機体に渡し「機内にご案内します。」と声掛けされ車椅子は、滑るように機内に到着しました。機内では、笑顔のCAさんたちが出迎えて下さいました。

この完璧な日本航空さんの対応に、感動すら覚えました。介助という仕事を一つのミスもなく、被介助者への配慮も忘れない。これ以上のホスピタリティは、経験したことがありません。このたった一名のエコノミークラスのタラップの昇降が出来ない顧客のために、こんなに人手や機材を投入させ、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。折しも、昨日までの台風で日本航空さんは臨時便を飛ばすなど羽田空港は、混乱状態にもかかわらず、本当に良く対応してくださいました。

今までは、介助する側だった自分は、される側にとって安心できる声掛けはできていたか?反省しきりです。足が悪くなり、初めて他者の思いやりを感じたり、介助される不安感が理解出来たり、やはり何事も経験しなければわからないですね。思い出深い旅となりました。