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2023.08.09

いたわりの神様

いたわりの神様

ご主人がアルツハイマー型認知症を発症されて以来、奥様が献身的な介護をご自宅で継続されていらっしゃる方からのお葉書です。

お目にかかった当初、ご主人は冗談を言ったり、夕方にはお一人でご近所をお散歩されるお姿を見かけたりしましたが、持病もあおありのため、この5年で認知症の症状が進み今では、歩行が困難となり、奥様が車椅子を押し移動されています。

「入浴ももう、私一人の力では無理です。」と仰る奥様に「今まで、十分介護されてこられたのですから、奥様が体調を崩す前に、施設へお預けになられてはいかがでしょうか?」と申し上げたところ「トイレも間に合わないことが多いです。その世話を施設の方にさせるなんて申し訳ない。」との事。

ご主人をいたわり、まだ見ぬ施設のスタッフに気を遣い、この方は、神様のような方だと思いました。

ですが、状況は厳しくなる一方です。「夫婦だから、私が看ないと。施設に入れたら可哀そう。」と頑張る奥様。

やれるところまで、頑張りたいと仰る奥様に、ショートステイ等を利用しつつ休息を図っていただくことが、今の最善の着地点と判断し、すぐにケアマネジャーさんに報告するようお話しました。

その後、どうされているかと気がかりで、お手紙を差し上げたところ、お返事を頂きました。

ショートステイ先も予約ができて良かったです。

介護、特にいわゆる老老介護は、私たちの想像以上に深い絆が、残念ながら、その先の道に暗雲が立ち込めてしまうことが多々あります。

しかし様々な状況の中、お話を伺いご家族の思いとプロの判断の着地点を探すことが、私たちの重要な仕事の一つだと思います。

神様、これからも伴走させてください。